若者能


メニュー


お能Q&A

能についての疑問にお答えします。



Q. 1 そもそも能って何?
A. 1
「能」は室町時代に完成した伝統芸能の一つです。
キレイな装束(衣装のこと)を着て、面(おもて)と呼ばれるお面 をつけて華やかに舞を舞う。日本の伝統的な舞台演劇のひとつです。
TOPへ
Q. 2 誰が作ったの?
A. 2
現在上演されている曲目の多くは室町時代の天才親子観阿弥、世阿弥によってつくられました。
TOPへ
Q. 3 何種類くらいあるの?
A. 3
種類というと答え方が難しいのですが、現在上演されている曲目すなわちストーリー数は120?130曲くらいあります。主人公の特徴によって分ける種類分けでは、神・男・女・狂・鬼という分類方法もあります。 漢字の意味のとおり主人公が何か、によって分類します。
TOPへ
Q. 4 「歌舞伎」と「能」って同じ?
A. 4
違います。日本の伝統芸能という面では共通 しますが、まずそれぞれ完成された時代が違います。歌舞伎は江戸時代に完成し、能は室町時代に完成しました。また現在ではどちらも万人が楽しめる芸能となっていますが、本来能は特権階級が楽しむことのできるものとして大成されました。
それに対し歌舞伎は民衆のために作られた庶民的な芸能として発達しました。
それから、見た目の最大の違いは顔!歌舞伎に登場する人物の多くは顔にお化粧のようなものをしているのに対し能は化粧をすることが絶対にありません。能の登場人物の多くは面 (おもて)とよばれるお面をつけています。特別に企画された催し以外能と歌舞伎が一緒に上演されることはありません。
TOPへ
Q. 5 「能」と「狂言」ってどう違うの?
A. 5
本来能と狂言は必ずセットで上演されるものです。狂言には能を観たあとの気分転換といった要素もあり、本によっては能と狂言の関係をストリップショーとその合間の漫才と表現しているものもあります。また能の前シテ(前半)と後シテ(後半)の間(中入りと呼ぶ)に状況説明のようなアイ(間と書く)狂言も狂言の役割。つまり能の中にも狂言が登場するのです。
TOPへ
Q. 6 能って何分くらいかかるの?
A. 6
曲目によってかなりの幅があります。一曲の長さは短いもので50分、長いものは2時間近くのものもあります。現代の番組の組み方としては能二番(これが特殊な表現、能は一番、二番と数える)でその間に狂言が一番入るというのが一般的といえるようです。
ちなみに狂言は短いもので15分、長いもので40?50分です。
TOPへ
Q. 7 能って全くの初心者でも楽しめるの?
A. 7
いい質問です。もちろん初心者の方も楽しむことができます。確かに能の動きや言葉の表現は抽象的なものが多いので何の予備知識もなく、初めて能を観たときにストーリーを理解するのは難しいかも知れません。しかし能の楽しみ方はストーリーを理解することだけではありません。
豪華で美しい装束が視覚に訴えるもの、囃子や謡のメロディーが聴覚に訴えるものをもとに観ている人が頭の中で作り上げるイメージこそが本当の能舞台だと思います。いいイメージを作り上げるために予備知識は必要ありません。
TOPへ
Q. 8 能ってどこでやってるの?
A. 8
能の催しの多くは専用の能舞台がある能楽堂で行われます。しかし近年では薪能と呼ばれる野外能や海岸線特設舞台、ホール、水上舞台などいたるところで行われています。詳しくはこちらを御覧下さい。
TOPへ
Q. 9 能ってプロがいるの?
A. 9
います。能を演ずることによって生計をたてている、いわゆる能のプロフェッショナルのことを能楽師といいます。能楽師という分野には我々シテ方(能の主役を演ずる)の他、能に係る囃子方(楽器による演奏を受け持つ)ワキ方(いわゆる相手役)、狂言方も含まれます。
これら能楽師は舞台で能を演ずる他、世間一般の能を趣味とする方々の指導もしています。バレーやピアノをお稽古するように謡や仕舞、鼓や太鼓の稽古もできます。【稽古場案内へ
TOPへ
Q. 10 能ってどのように役割分担しているの?
A. 10
プロ野球の選手を思い浮べていただくと解りやすいかと思います。ピッチャーはピッチャーだけをやるようにシテ方はシテ方だけをやり、囃子方の笛方は笛のみ、キャッチャー役のワキ方は一生ワキ方だけを続けます。これらが入れ替わることはありません。
TOPへ
Q. 11 能の曲目のテーマってどんなものがあるの?
A. 11
古文の時間習ったものの多くは能の題材になっています。「平家物語」とか」「源氏物語」を題材にしたものが数多くあります。
TOPへ
Q. 12 能を観に行く時って特別なマナーがあるの?
A. 12
特にありません。気楽に遊びに来てください。ですが、服装に関して言えば、能楽堂にT-シャツ&短パンでいらしてる方は、まずお見受けしませんし、あまりそういうスタイルでのお出ましは、歓迎できません。野外での能の場合は、ほとんど意識する必要はありませんが、能楽堂は厳かな雰囲気ただようところなので、意識としては、カジュアルよりもフォーマルなイメージのほうが、失敗は少ないと思います。
TOPへ
Q. 13 能って終わったあとに拍手をしちゃいけないって聞いたのですが…
A. 13
間違いではありません。現在、一般的にシテ(中心人物)が幕に入るときに、拍手をしてくださる方が多いですが、シテが幕に入っても、まだ能の全てが終了した訳ではありませんし、まだまだイメージをアタマの中に広げている方がいらっしゃいます。その方達の邪魔をしないためにも、舞台上から全員がいなくなったときに一度だけ拍手をいただけたら、演者を含め、そこにいる人全員が気持ち良く舞台を終わらせることができるかと思います。
TOPへ
Q. 14 能舞台にはどうして柱があるのですか?
A. 14
シテが自分のいる位置を確認するためです。 能を舞うには能面をかけます。これはわずかに眼はあいていますが、面 の目は役者の目から約2センチ離れたところにある約1センチ四方の穴です。その視野は非常に狭く、当然目の高さの位置しか視野にはありません。
足許が全く見えないので、柱によって役者は自分の現在地を把握し、柱を頼りに舞うわけです。 能楽堂の中正面の席にお座りの方に「柱が邪魔になる」との声もききますが、これをとってしまうわけにはいかないのです。
TOPへ
Q. 15 能面は眼以外にも開いているのですか?
A. 15
能面の種類にもよりますが、鼻と口が開いています。眼も鼻も小面のような女の面は前記のごとく小さいのですが大?見(おおべしみ)、大飛出(おおとびで)、悪尉(あくじょう)などは眼も鼻も口も大きく開いています。
TOPへ
Q. 16 能のしぐさに特徴的なものがあるのですか?
A. 16
あります。悲しくて泣く、というときなどにシオリといって手の四指を揃え親指は中におり、顔の額に近付けるというように感情を象徴した型。
「合掌」と呼ばれる神仏に祈りを捧げる型、といったものが代表的です。
TOPへ
Q. 17 能面は昔からのものばかりですか?
A. 17
昔からのものも多くありますが、最近にできたものも使われています。その最近できたものという中には、昔のものを今の能面 師が写した、すなわち模作したものが数多くあります。
余談ですが…
「最高のもの」とされる江戸時代の面をコンピュータによって綿密な計算をし、復元を試みたところ、全く違う顔ができ上がったそうです。やはり能面 は神がかったようなところが多く存在するので、そういったことをしよう、ということだけで、罰当たりなことだったのかもしれません。 今後、どんなに技術が進んでも、するべきでないし、してはいけないことだと思います。
TOPへ
Q. 18 能を観る時の入場料はどれくらいですか?
A. 18
一般の催し(民間団体)主催ですと能1?2番、狂言1番で壱万円前後公機関(国立能楽堂、各県各市芸術団体など)主催のものですと3000円?5000円かなりの幅があります。学生さんの場合、催しによっては2000円でおつりがくることもあります。「いくら以内で能が観たいのですが…」というストレートな注文もお気軽にお寄せください。
TOPへ
Q. 19 能を見るとき特別なマナーや決まりごとはあるの?
A. 19
特にありません。演者側が希望することについては、拍手について触れました。それ以外については、他の演劇などと同じです。 他の観客の方に迷惑がかからなければ、特に気を使うことはありません。演じる者の真剣な演能と、観客の真剣な眼差しがぶつかり合うこと、それができる環境ができることを願っています。
TOPへ
Q. 20 能をやっている人(能楽師)は日本で何人くらいいるの?
A. 20
答えるのが難しいです。玄人と素人の中間的存在、いわゆるセミプロのような方が多くいらっしゃるので、能楽を本職にしている純粋なプロは1000人くらいでしょうか。明確な数字は出しかねます。
TOPへ
Q. 21 外国人の方に能を見せる催しでは、何か特別な工夫をしているの?
A. 21
ほとんどしていません。 解説に英語訳をつける、程度のことはしますが、演能中に外国語の解説をイヤホンで流したりはしません。なぜなら、そういうことをするとせっかくの観能の機会がストーリーを追いかけるだけに終わってしまうからです。日本人の方も、解説を読みながらの観能は御遠慮ください。 また、外国の方は,日本人よりも観能の機会が少ないので,より良いもの、ホンモノをお見せできるよう、努力をしています。
TOPへ
Q. 22 能を観ていてもストーリーがわからなくて、つまらないのですが…
A. 22
素直なご意見でしょうね。これには、いくつかの解決策があります。一番簡単なのは、ストーリーを理解しないようにして、ジャズを聞くように、謡、囃子を音楽のように、舞台の動きを絵画や彫刻のように感じる。最初の数回は、これでも、かなり楽しめると思います。 もう1歩進みたい方は、能を観に行く、前日、もしくは行きの電車の中、それも無理な方は、能楽堂に着いて始まる前に、簡単なストーリーを書いた解説を読んでみてください。それによって抽象的な能の動きの中からも,大まかにどの場面が進行中なのかは、理解できるのでは、ないでしょうか。
TOPへ
Q. 23 能をやっているがうえにタブーはあるのでしょうか?
A. 23
特にありません。能楽師も、普段は普通の生活をしているので(笑)、食事、趣味、生活に至るまで和に徹している訳ではありません。もちろん和に徹していらっしゃる大先生もいらっしゃいますが。 ただ、若い方向けに書けば、茶髪、ピアスが快く受け入れられる世界ではないので、舞台に出るとき、楽屋に出入りするときは、50代の親の世代が言う「ちゃんとした格好」が求められます。
TOPへ
Q. 24 舞台に上がるときの決まりごとはあるのですか?
A. 24
あります。玄人、素人さんにかかわらず、舞台に上がる時は白足袋を履かなくてはなりません。最低でもキレイな白い靴下を履いてください。これは、素肌を舞台につけないようにする意味も含まれているので、手をついたり、半ズボンやスカートで正座をして、肌を舞台につけることも嫌われます。また、舞台にキラキラ光るものを着けて上がることはできません。ですから、目が悪くても、メガネをかけたまま、結婚していても指輪をしたまま舞台に立つことは許されません。もちろん、装飾品は外してください。
TOPへ
Q. 25 能楽の謡には、特別な発声法があるの?
A. 25
特にありません。その人の自然の声を、叫ぶのではなく、お腹から大きく出します。能楽師の謡が、普段の声と違って聞こえるのは、謡うときは、腹式呼吸で喉に力を入れずにお腹から発声しているからと思われます。
TOPへ
Q. 26 能舞台を盛り上げてくれるお囃子の楽器にはどのようなものがありますか?
A. 26
4種類あります。笛、小鼓、大鼓、太鼓の4つです。曲目によって太鼓は登場するものとしないものがあります。この4つのなかでメロディーを奏でられるのは笛だけで、他の3つは打楽器です。ですから、能楽の音楽ではハモる、ということは、起こり得ません。
TOPへ



↑PAGE TOP
←INDEX PAGE

杉並能楽堂
東京都杉並区和田1-55-9
TEL:03-3381-2208
■中野富士見町駅出口を出て左へ。 花屋角を右折して、約300m直進。 突き当たりを左折して左手。 (徒歩約7分程度)