若者能


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若者能とは ・ ・ ・

「若者の若者による若者のための能」 若者能とは、大学生実行委員による解説や体験コーナー、そして若手能楽師によるホンモノの舞台を通じて「能楽」を楽しんでいただくイベントのこと! 能楽って何?と思っているあなたにこそ観てほしい催しなのです。

能「鞍馬天狗」

「さぁさぁ飲めや歌え!」そんな歓声があちらこちらで湧き上がるここは、春らんまんの鞍馬山。華やかなお花見があると聞いた一人の山伏がやってくると、そこはすでに鞍馬寺の僧侶たちで大賑わい!

しかし山伏が席に加わろうとすると、僧侶たちは「よそ者はお呼びじゃない」と興ざめして帰ってしまう。結局その場に残されたのは山伏と、僧侶たちと共にいたはずの一人の少年だった。

「こんなつまらない理由で白けて帰ってしまうなんて…」とがっかりする山伏に、少年が話しかけてきた。「一人ぼっち同士、お花見しましょうか」。そう誘われた山伏は、少年の心優しさに感激せずにはいられない。

この心優しい少年は一体何者なんだろうか?――そんな疑問を抱いてまもなく山伏は、彼の正体が源氏の血を引く牛若丸である事に気付き始める。

「平家にあらずんば人にあらず」と言われるほど、平氏の全盛期だった当時は、源氏の人々にとってこの上なく肩身の狭い時代であった。

そんな荒れ狂う時代の波に、なすすべも無く巻き込まれる幼い牛若丸に対して、哀れみの気持ちが山伏の中でどんどん募っていく。

そして山伏は牛若丸に「私こそが鞍馬の大天狗である」と自らの正体を明かし、「お主に兵法を教え込むから、驕る平氏をその手で討ち滅ぼすべし。また明日会おう。」と告げて飛び去っていくのだった。

その翌日、約束通り大天狗が仲間の連れ立ってやってきた。いずれも名高い霊山の天狗であり、そうそうたるメンバーに囲まれながら牛若丸への稽古が始まった。その中で大天狗は「漢の国・張良の故事」を語りながら、「自らの師匠から謙虚に学ぼうとする心がけの大切さ」を切々と説きはじめる。そうしていくうちに牛若丸は飛行自在の兵法を授かったのだった。

やがて両者の別れの時がやってくる。寂しさのあまり大天狗の袂にすがりつく牛若丸。そんな彼に大天狗は「心配するな、いずれ迎える合戦の時もお主の武運を守ってみせよう」と優しく声をかけ、夕闇へと消えていくのだった。


狂言「 禰宜山伏」

舞台は旅ゆく人々の行き交う、街道沿いの茶屋。少し休もうと考えた、ある禰宜(ねぎ。神社で働く人のこと)が、立ち寄ってほっと一息ついている。しばらくすると、そこに見知らぬ山伏がやってきた。しかしその山伏は、茶屋の主人にはわがままを言うわ、禰宜には傍若無人に接するわと、やりたい放題!ついには禰宜と山伏が言い争いを始め、それを見かねた茶屋の主人から「こうなったら祈祷バトルで決着をつけたらどうだ」と提案される始末に。

「大黒天に祈って効果の現れた方が勝ちだ。準備はいいか…?!」。勝利の女神ならぬ大黒天はどちらに微笑むのか――禰宜VS山伏の奇妙な戦いの幕が、いま切って落とされた!


【仕舞「谷行」あらすじ】

山岳で修行する物たちの掟のひとつ。修行中に病気になった者は、その時点で谷へ生き埋めにされる。

今熊野に住む山伏、阿闍梨は、仲間とともに峰入りという山で厳しい修行をすることになりました。実は阿闍梨には松若という弟子がいましたが、まだ幼いので今回は置いていこうと考えました。しかし、松若は母の病気が治るように、自分も修行がしたいと言ってききません。皆反対しますがとうとう松若も一緒に行くことになりました。

葛城山まで来たとき、松若は慣れない修行のせいか病気になってしまいます。阿闍梨は必死にかばおうとしますが、他の山伏にばれてしまい、ついに松若は谷行にされます。 阿闍梨は嘆き悲しみ、自分も谷行にせよと言ってその場を動きません。他の山伏たちも同情し、皆で祈ります。すると役の行者が現れて、松若は親孝行であるから命を助けようと言って伎楽鬼神を呼びます。伎楽鬼神は松若を救いだし、役の行者は人の目には見えない岩橋を渡り去っていったのでした。




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<日にち>
2015年1月11日(日)
開場:13:00  開演:14:00  終演:16:30
<会場>
国立能楽堂(千駄ヶ谷)
<料金(税込)>
一般(全席自由):3,500円(当日:4,000円)
学生(全席自由):1,000円